では、Aのスポット測光をどうやって使ったらよいのでしょうか ?
まず、準備する物は反射光式単体露出計のできるかぎり測光範囲の狭い物(1°)。
通常一眼レフカメラに内蔵されているスポット測光では、反射光式単体露出計より測光範囲が広い物が多い。
しかし、ズームレンズの望遠や短焦点レンズの望遠を使う事により、反射光式単体露出計より狭い範囲の測光をする事ができる。
反射光式単体露出計の中にはズーム機能が付いているものもあり、SEKONICのズームマスターには入射光式と反射光式が一体になっており、一台で二役使える物もある。
又、私が使用しているL-508では、ドット表示ができアナログ的な使い方ができるが、1/3段ステップがなく1/2段ステップしかできない為、繊細な絞り値の設定ができないのが残念です。
しかし、モードを絞り優先モードにすると1/10絞りステップでのEV値がデジタル表示される為、1/6段ステップで判断する場合は非常に便利です。
測光する前に、カメラに内蔵されている露出計と単体露出計の基本的なことを説明します。
一般的に一眼レフを含めカメラに内蔵されている露出計は反射光式で、単体露出計には反射光式と入射光式とがあり、両方使える機能を持ったものもあります。
では、反射光式と入射光式と何が違うのか ?
反射光式
光が当たり照明された被写体がその光を反射してカメラまで到達した光を測定する。
使い方は、カメラ位置から受光部を被写体(測光物)に向けて測定しますので、カメラ位置では晴れていても被写体の場所では曇っている場合や、その逆の場合でも実際にカメラ位置まで到達した光を測定できます。
入射光式
被写体を照明している光そのものを測定する。
使い方は、反射光式とは違い被写体と同じ位置から白い球体をカメラのレンズに向けて測光します。
例えば被写体とカメラの距離が離れていて、被写体まで行く事ができない時やカメラの位置と被写体の位置との光の当たり具合が異なっている場合などは非常に困難になります。
ただ、被写体を照明している光を測定している為、白い物は白く、黒いものは黒く写るように測光結果が出ます。
昔、学校の校庭でクラス写真などを撮る時に、写真屋さんが白い球体の付いた携帯電話ほどの大きさの物を手に持ってかざしていた所を見た人もいると思いますが、あれが入射光式の単体露出計です。
では、反射光式露出計は何を基準にして露出値を決めているのでしょうか ?
一般的には(露出計メーカーによって多少の誤差がある)18%グレー(反射率18%のねずみ色)を基準にしていますが、被写体からの反射光は被写体の色や表面の状態により変化します。
例えば、白い紙を測光して割り出された露出で撮ると、ほぼ18%グレーに写ります。
逆に、上と全く同じ条件で黒い紙を測光して割り出された露出で撮ると、これもほぼ18%グレーに写ります。