下の写真は、1月下旬に上高地の大正池で撮影したものです。

「ヘタクソー ! 」の声が聞こえてきますが、気にせずに進みます。
前日から雪が降り、人の踏み跡も新雪に消されてしまいシーズン中の人の賑わいが嘘のようなとても神秘的な大正池でした。
三脚を固定するためにふかふかになっている雪を踏み固めていると雪の中から何やら厚紙が出てきました。

拾い上げて見ると
それはブローニーフィルムの空き箱でした、さほど気にもせず新雪を足でかきながら三脚を固定しようと作業を進めていると、こんどは銀色の袋のようなものが出てきました。
箱のときは前の撮影者がついうっかり落としていったものと思っていましたが、フィルムを包んでいる袋まで出てくるとついうっかりではないと思います。
明らかに行為でそこに捨てて行った物に間違えないと思い、これから撮影しようとしている私にとっては何ともおもくるしい思いでした。
ブローニフィルムは一般的な35フィルムとは違い中判カメラに使用され120タイプ又は220タイプそれぞれ1本づつ銀色の袋に入っています。
ようするに観光客が記念写真を撮っていったのではなく自然の風景を写真に収めようとしているハイアマチュアカメラマンと言われる人がやった行為なんです。
まったくな避けない話だとは思いませんか? 本来こういった人たちは観光客や同じ写真愛好家達のお手本にならなければいけないはずなのに自ら自分のモチーフを汚すようなことをして、いったい何考えているんだか ・ ・ ・
まさしくアマチュアカメラマンの面汚し !
真冬の上高地では天気が良いと体感温度も上がり快適なロケーションになりますが、一旦日が陰ると気温が一気に下がり風が加わるとさらに体感温度が下がります。
そういったロケーションでの写真撮影は通常のロケーションとはちがい寒さによる作業性の低下と集中力の低下を招きます。
ましてやオーバーグローブを着けたままの作業や素手での細かな作業になるとよけいです。
私は日頃からそういった環境でもスムーズな作業ができるように写真装備の工夫や体そのものを低温環境に慣らすためのトレーニングを年間を通じてやっています。
一例として、まずブローニフィルムは家を出る前にパッケージの箱から ブローニフィルム専用ケースに入れていきます。
こうすることにより現地でよけいなパッケージの箱のごみを出さずに済みます。
そして、フイルムを出す時に袋ごとケースから出すのではなくケースに入れた状態で袋を開封し、フィルムだけを抜き取りフィルムのシールを袋の中に入れ撮影が終わったフィルムをケース内に残しておいた袋に入れれば一切のごみを出すことなくフィルムの持ち運びができます。
又、袋の中に戻すことによりケース内でスプロールがケースに当り「カタ !
カタ !」鳴るのを防ぐことができるしフィルムにも優しいことは確実です。

低温環境に慣らすためのトレーニングは、難しく考える必要はありません、夏が過ぎる頃から涼しくなり始めたらも、できる限り薄着で生活して通勤時もバスや電車や自動車をやめ、自転車通勤をします。
手が寒くてかじかむような時でも手袋はせず素手で自転車に乗って通勤するだけでも全然違ってきます。
日頃から手の毛細血管を増やすことを心がければ厳冬期の山の中でもフィルムのセットやカメラの調整ぐらいの時間でしたら十分にシルクの薄い手袋一枚でも何の問題なくできます。

良い写真を撮ることばかり考える前にカメラマンとしていや ! 人間としてなす事ができるようにするのがまず重要に思います。

                                                 

              

Mamiya 645 PRO TL  C80mmF2.8N  f22  PL
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