レンズとレンズボード
カメラが決まったら次はレンズです。
前のページの焦点距離の対照表を参考に使いたい焦点距離のレンズを選びます。
大判写真用レンズはいろいろなフォーマットの中でも最も選び応えのある物だと思います。
出しているメーカーも多くドイツ製から国産まで様々なレンズがあり、どのレンズも特有の味や特長がありひじょうに迷うところです。
基本的に現在店頭などで手に入れることができる物はほとんどがシャッターにコンパルシャッターを使用していますが、古いタイプのレンズなどには一部コンパル以外のシャッターを使用している物もありますので注意が必要です。
ここでは、現在発売になっているレンズのほとんどに組み込まれているコンパルシャッターで話を進めて行きますが、もしそれ以外のシャッターが組み込まれたレンズを使用したい場合は、購入するときにお店の人とよくご相談になり購入して下さい。

大判カメラ用のレンズは、一眼レフタイプのカメラのレンズとは形状が大きく異なりピント調整リングがありません。
レンズ本体はシャッターを挟んで被写体側に付いている前玉とピントグラス側に付いている後玉から成り、シャッターの後玉側にレンズボードを取り付けリングで固定して使用します。
コンパルシャッターには3種類の取り付けサイズがあります。

又、古い規格のレンズで#00,  直径26.6mmという物も有りますが、現在では希少価値になっています。

0番 1番 3番
取り付け穴径 (o) 35.0 42.0 65.5
周り止めピン穴位置径 (o) 18.0 22.0 -
 レンズボード
 レンズとボード

注意
もう一つ注意しなければならないことがありました。
ここで紹介しているボードは、現行のリンホフ テヒニカボードですが、このテヒニカボードには同じ0番、1番、3番でも穴径が2種類の物がリンホフ純正で有るということを注意しなければなりません。
現在一般的に手に入れる事ができるタイプは上の表の寸法で穴あけされていますが、一部で下の寸法で穴あけ加工されている純正ボードがあります。
#00,  26.6
#0,  34.7
#1,  41.8
#3,  65.0 

見分け方は、レンズボード裏の右上の部分に "Germany" と書かれているか "Linhof" と書かれているかで見分ける事ができます。
あと、ボードの正面の "TECHNIKA"の書体がわずかに違いが有りますがほとんど判別が付かないほどの違いです。
もし、レンズをボードに取り付ける時に少しでも入りが硬く感じた場合は、むりをせず穴径で0.3ミリから0.5ほどの違いですのでサンドペーパーで内径全体を軽く磨いてやれば問題なく使う事ができます。


中古レンズを選ぶ場合はレンズ本体外見よりレンズの目玉の傷、くもり、カビの有無、チリホコリは当然の事、シャッターの各スピードでの低速での粘りや、絞り羽根の状態も念入りに確認する必要があると思います。
特にシャッターの各スピードでの低速での粘りなどは新品の状態のシャッターと音を聞き比べないと分からないと思います。
下に各シャッタースピードでのシャッター音を録音したものを付けましたので参考になさって下さい。
1/500 1/250 1/125 1/60 1/30 1/15 1/8 1/4 1/2 1
再生 再生 再生 再生 再生 再生 再生 再生 再生 再生


大判カメラの場合、レンズをカメラに取り付けるには上の説明ですでにお解かりのようにレンズボードが必要になります。
レンズボードの中央部に開けられた穴の大きさには3種類有るとご説明しましたが、レンズボードの縦横のサイズや形状にカメラによって独自の規格を使用しています。
又、各レンズボードには初めからレンズの穴が開けられた物も有りますが、センターに小さな穴だけ開けられていたり全く穴が開けられていないレンズボードもあります。
現在最も多く使われている規格はリンホフ規格の物で、各メーカーなどからアダプターなどが出ています。
私個人的にはアダプターをカメラとレンズボードの間に噛ませる事は、つなぎ目を多くすることとなりがた等を発生させる可能性が増える為お勧めしません。
メーカーによっては初めから自社規格用に作られたカメラとリンホフ規格用に作られたカメラ、2つを販売している所もありますので、初めからリンホフ規格のカメラを買われたほうが後々便利になってくると思います。
そして、同じリンホフ規格の同じシャッター番号の穴が開けられたレンズボードにも、広角レンズが使いやすいようになっている凹型と、カメラのフランジバックより長いレンズを使う為の凸型が有り、様々な長さの物も有ります。
                                


                                                       

inserted by FC2 system