被写界深度、焦点深度、過焦点距離、許容錯乱円、Part 4

被写界深度ど同じ性質を持ったものに「過焦点距離」と言うものが有ります。
過焦点距離とは、ピントを合わせた位置から無限遠までピントが合って見える状態で、ピント位置その手前1/2の距離まですべてにピントが合っているように見える距離
の事を言います。
例えば、∞(無限遠)位置に山並が有り撮影位置まで田園風景が広がっている所を山並から田園まで画面全体にピントが合っているように見える写真を撮りたい場合、過焦点距離この場合は∞の山並にピントを合わせ、山並と撮影場所との1/2までの所を撮影範囲にすれば画面全体にピントが合った写真を撮る事ができます。
この写真の事をパンホーカス写真と言ったりします。



図Dは、無限遠より手前に被写体(ピント位置)が有り、無限遠まで後方被写界深度を伸びるまで絞った状態です。
 被写体位置から遠方は後方被写界深度によりピントが合った状態ですが、被写体からレンズ側は被写体位置とレンズまでの距離の1/2までピントが合います。
この時の被写体位置からレンズまでの距離を過焦点距離と言います。

図Eは過焦点距離を使って無限遠に有る被写体にピントを合わせ、無限遠に有る被写体のエッジを効かせる状態の写真を写す時に使う方法です。

被写界深度でパンホーカスを作った場合と過焦点距離で作った場合では見え方が異なります。
被写界深度でパンホーカスを作った場合は、ピントを合わせた位置より遠方は、ピントが合っている様に見えるだけの為、見え方に差が出て立体感が出しやすくなります。
過焦点距離を使った場合は、無限遠にピントが合い手前に近ずくにしたがいピントが甘くなっていく為、無限遠やその付近に主体になる被写体が有る場合や無限遠をクッキリ見せたい場合は有利な手法となります。

                                           

inserted by FC2 system