さて、皆さんは大判カメラや中判カメラをどのようにフィールドに運びますか ?、
私の場合は山以外の車からさほど離れていないフィールドへは普通のカメラバックに入れて運びますが、時にはアルミ製のケースに入れて行くこともあります。
しかし、事山岳写真を撮るときなどはかなり行き先や予定日数におおじてカメラザックに入れたり登山ザックに入れたりと、状況によってまちまちです。
どの方法でカメラ機材を運ぶのが一番安心で効率的なのかは今だハッキリとした答えを出していないのが現実ですが、これまでに私が試した方法を紹介したいと思います。

まず、車からさほど離れていないフィールド(車から2〜3km以内)のときは普通のカメラバック(防水性の高い)の大きめのに入れて持ち歩くのが圧倒的に多く、周辺に岩や残雪、下が濡れている所に行くときはアルミのケースに入れて行きます。
山岳写真のように周りは岩と雪や氷ともなると色々悩んでしまいますし、車から降りてそのまま徒歩で登山道にアプローチできる所などはラムダのカメラザックでもさほど問題は無いかのように見えます。
しかし、大判や中判カメラは一見カメラその物が35のカメラに比べると本体が大きく頑丈に見えますが同じ精密機械の一つ、できる限り衝撃などは避けるに越したことはないと思います。
それに車で最寄りの駅やバスターミナルまで行きそこから公共交通機関でしか入る事ができない所もあり(例えば上高地や立山、南アルプスの一部)そうした場合、所によっては10kg以上の荷物をバスやトロッコなどの荷台に載せる所もあります。
当然大切なカメラを入れたザックから離れて乗車しなければならなくなり、所によっては荷物の持主と別の便で荷物だけが先に目的地まで行ってしまうこともよくあります。
このような所のほとんどが有名な観光地が多く荷物の取り扱いもたいへん雑に扱われているところが多い、又シーズン中にもなれば学生のアルバイトなどが荷物の運搬に借り出されている所も珍しくはありません。
ひどい所ではザックの持主の見ている目の前でバスの中央の出入り口のステップへ転げ落としたり、乗客に落とすよう指示をしたりする運転手もいたりします。
立山駅からのケーブルカーでは大きなザックなどは後に連結されている荷台に載せますが、係の人もたいへん荷物を丁寧に扱っていて全く不安になりませんでしたが、美女平からバスを乗り継ぐときに10kg以上の荷物はお金を払いバスのトランクに入れます、初めて行った時は当然荷物の持主と同じバスに載せるものだと思っていましたが、一つ前のバスに載せられ一足先に荷物だけが室堂に着くと知りたいへん不安になりました。
そのときは無事に何事もなく撮影を終え室堂から立山駅へ戻ってきたとき、バスが室堂から戻ってきてトランクから荷物を下ろし始めたときでした、ラムダの大型ザックをトランクから引きずり出しアスファルトの路面に落としそのままショルダーの片方を両手で持ちひきずり建物まで来るとそのまま手を離し「ドスーン ! !」。
その係はどう見ても学生のアルバイト風で近くには年配従業員が何人もそれを見ていましたが何も言わずあたりまえのような顔をして見ていました。
当然そのザックには三脚も付いており誰が見てもザックの中にはカメラが入っていることが一目でわかる状態でした。
3日前に自分の大切なカメラ機材が入ったザックが室堂で同じ扱いを受けていたのではと思うと腹が立つと同時に、人の荷物をその辺のごみと同じような扱いをして平気な奴らから自分で守らないとと思いました。
これが普通の観光客の荷物だったらどうでしょう ? 自分の荷物があのように扱われたことを知り怒らない人は一人もいないと思います。
おそらく以前にこういったトラブルがあり、荷物と持主とを別のバスに載せるようになったとも考えられます。
それ以来、私は立山から室堂に入るときはできる限り厳重にカメラとレンズを衝撃から守るようにパッキングの工夫をするようにしました。
まず、ラムダの
カメラザック5型を使用する場合はザックの上の段の中仕切りを全部取り除いて、カメラとレンズの寸法に合わせてウレタンラバーを張ったアルミケースなどの仕切り板で箱を作りできるかぎり中でレンズやカメラが動かないようにしザックの上の段に納めます。
こうすることによりかなりの衝撃でもダメージを最小限にすることができると考えています。
次に登山ザックを使う場合は、ザックが縦長のため二つのケースにカメラ本体とレンズとに分けて入れます。
大判のフィールドカメラのような外部からの衝撃や圧力に強いものは小さめのカメラバックにいれ、そのカメラバックにフィルムやフィルムホルダー、露出計など小物類も一緒に入れ、プラスチック製のケースにレンズなどを入れて、登山ザックの上の方に入れます。
この方法が今まで一番安全で軽量のように思いました。
これなら1m前後上から落とされてもカメラやレンズに致命的な影響を与えることは少ないと考えています。
4,
私の愛機
で少し触れましたが、大判カメラ装備に数日間の山の装備を合わせると、小屋泊まりで25kg以上、テントとなると35〜40sぐらいの荷物の量になります、ラムダのカメラザック5型はそれらの重量に対しての強度は十分にあるように見えますが、こちらのラムダの製品ページを見れば解ると思いますが、上の段と下の段の出入り口がファスナーのみになっています。
通常登山ザックでも大型の物は必ずファスナー+ベルトが付いているものです、それは非常に過酷な条件の元でザックは使用されますのでファスナーが壊れてしまうことが多々あります。
このラムダのカメラザック5型は一旦ファスナーが壊れてしまい蓋ができなくなるとザックとしての機能を完全に失ってしまいます。
最悪カメラやレンズを岩場にばら撒いてしまうことすら考えられます。
その対策としてとあるサイトで太いベルトを携帯してファスナーが壊れたときにそれを縦に巻くという方法が紹介されていますが、それもかなり不安定でファスナーの一部であれば問題ないと思いますが全体に開いてしまったときはお手上げになります。
登山を前提に考えたカメラザックであれば必ずイレギラーにも対応できるような構造又は機能が無くてはなりませんし、いくらこのザックに使われているファスナーが必要以上の強度があるとしても何年も使い続けていれば必ずへたってくるはず、せめて各ファスナーに縦に2本づつベルトを付けておくべきだと思います。
その点では今のところ登山ザックに入れるのが最も安全な方法ではないかと考えます。
後山で時々背負子にアルミケースを縛り付けて登っている人を見かけますが、他の登山者と狭い登山道ですれ違うときや、狭いところのどちらかが垂直に岩などが立っているところなどではたいへん危険だと思います。
アルミのような硬い金属がすれ違いざまに人に触れたりすると相手の人に大きなダメージを与える可能性が増え、又ケースが岩などに当りバランスを崩しやすくなります。
この事は私自身過去に苦い経験をしていますので絶対に避けるべきだと思います。
これもけっこう山で見かけることですが、大きな三脚をザックの上に横にして付けている人がいます。
人間重い荷物を背負って坂道を歩くときにはどうしても上半身が大なり小なり上下運動をします、されに登山道というものは狭く登山者同士がすれ違うことができるギリギリの幅しかないことが多く、三脚などの硬い棒状のものを横にして上り下りする行為は山で鉄パイプを振り回しているようなもの !
三脚は必ず縦にしてザックに取り付けるべきだと思います。
                    
上の写真のザックやバックがこれまで山で使ってきたカメラ用の物たちです。
後ろの列の左がラムダのカメラザック5型、その隣がdaxのカメラザック大、二列目の左からモンベルのバック中、真中がLowの薄型のウエストバック、右がモンベルのカメラバック大、最前列がモンベルのウエストポーチです。
いつも思うことは、どのメーカーのカメラザックを見てもザック全体にクッション材が付けられていて、非常に効率が悪いと思います。
ザック形態でカメラ機材を運ぶということは、当然カメラ装備以外のトレッキング装備もそのザックに入れることがほとんどのはず、例えばラムダの場合上下2つの部屋に区切られそれぞれの部屋に個々の出入り口があり収納スペースへのアクセスがしやすく工夫されていますが、当然バックパッキングの基本から考えると上の部屋に重いカメラ装備を入れます。
そして下の部屋には、着替えや食料など生活用品を入れることになると思いますが、そのとき下の部屋の周りに張りめぐされたクッション材がスペースを奪い外見より少ない荷物しか入れることができないのです。
もし、上の部屋も下の部屋も全ての部屋にカメラ装備を入れたらいったいザックの重さはどのくらいになるんでしょうか?
想像しただけで肩が痛くなります。
なを、私はこれまで山で使用してみて、
ラムダのカメラザック5型でテント泊まりで5泊、daxでは小屋泊まりで3泊、ぐらいまで十分使えると考えています。
現在ラムダからは「カメラザック槍ヶ岳」という40リットル〜45リットルの収納式サイドポケットを搭載し、各蓋にもベルトが付いているものがあります。
個人的にはこちらのザックの方が使いやすく見えますが、収納式のポケットの無駄な機能や容量の小さなところなど個人的には今ひとつのように見えます。
ラムダさん! お願いだから「カメラザック槍ヶ岳」のサイドポケットをカメラザック5型のようにして下の部屋のパットを脱着式にした55リットルから65リットルクラスのザックを作って〜!!


                                                  

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